3276098 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ロックの部屋

ロックの部屋

PETER GABRIEL

PETER GABRIEL『1』
1

ピーター・ガブリエルのファースト・アルバムを彼の最高作だという人はいないと思うけど、個人的には一番好きなアルバムです。

2作目以降とは、明らかに音の傾向が違っている。ジェネシスとも違う。簡単に言うとピーターの優しさ素直さが一番感じられるアルバムだから。

1977年当時ジェネシスの『幻惑のブロードウェイ』から2年間程経っていたから、凄い期待と不安があったアルバムだった。『幻惑のブロードウェイ』が地下世界だったから、ピーター・ガブリエルのソロ作はどうなってしまうんだろう、という気持ちだった。

『1』を最初にターンテーブルに乗せて耳にしたとき、良い意味で裏切られてしまった。ピンク・フロイドのロジャー・ウォータース見たいにならなくて良かったなと………

ピーター・ガブリエルの詩人としての顔が見えたことと、ジェネシス時代のカリスマ性が無くなったことが、普通の人間として、新しいピーターの魅力として見いだせた事が大きい。

2曲目の「ソルスベリー・ヒル」が好き。シンセかメロトロンだろうけど、フルートの音色が良い。一緒に口ずさみたくなってしまう曲です。

3曲目の「モダン・ラブ」ジェネシス時代にはなかったR&Rナンバーだし。

4曲目の「EXCUSE ME」はボードヴィル調で、まるでニルソンみたいな歌い方。

《HUMDRUM(うつろな日々)》
♪女は男を慰めるけど
 男は女のために
 一生尽くさなくちゃならない
 そして だんだん重荷になってくる
 暗闇を封じこめた
 奥の部屋から
 彼女はきみを太陽の差し込む所へ連れだす
 そして 僕らは新しい人生を始める
 春も来ないうちから バラの花に囲まれ
 空気に含まれる音を聞きながら
 白く輝く明るい星に誘われ
 虚ろな海岸から 僕の元へとやっておいで♪

7曲目の「WAITING FOR THE BIG ONE」は本格的なブルースナンバー。ピアノが聴き所。

そしてアルバム最後の「HERE COMES THE FLOOD」(洪水)は世紀末を予見しているような曲だ。《洪水が襲ってきたら生き延びる者はいない、残るのはおまえと僕だけ》と歌う。ぶるぶる震えが来るような曲で、Boy, here comes the floodからの盛り上がりが凄い。アルバム中最大の聞きもの。



© Rakuten Group, Inc.